小児予防について PREVENTIVE

こどもの歯の
予防を重視する理由
THE REASON WHY

こどものお口の中は、成長発育の過程において著しく変化していきます。その変化に応じて、正しい口腔機能の獲得へと導き、トラブルが起きにくいお口の環境作りをサポートするのが、小児予防歯科の役割です。

特に小さなお子さまですと自分でお口のケアができないため、必然的に保護者の方が健康管理を行うことが多いと思います。しかし、日々忙しい生活の中で、何歳になったら歯が生え変わって、歯並びを気にして、初期虫歯を見逃さない……と、細かなことをチェックするのは難しいのではないでしょうか?
お子さまが将来、歯のことで困らないために、また親御さまの子育てをお手伝いする意味でも小児予防歯科に注力しています。お子さまの歯が生え始めたタイミングで歯科医院デビューをして、その後の成長を見守らせていただけますと幸いです。

ダラダラ食べ続けるのは
よくない

虫歯予防の指導では、「食べ物をダラダラ食べず、時間を決めてください」と言われますが、なぜそうしなければならないかをご存じでしょうか?それには、ステファンカーブというグラフが大きく関わっています。
ステファンカーブとは、歯垢のpHの変化を測定したグラフのことです。歯垢には大量の虫歯菌が含まれており、食事によって虫歯菌が糖を吸収し、乳酸を出します。
普段のお口の中はpH6.8で中性ですが、虫歯菌が出す乳酸によって酸性に傾き、pH5.5以下になると歯の表面にあるエナメル質が溶け始め(脱灰)ます。
その後、口内で絶えず流れている唾液によって酸が流されて中性に戻り、溶けかけていた歯の表面が修復される(再石灰化)というのが、お口に備わっている機能です。

この一連の流れをグラフにしたステファンカーブを見ると、頻繁に間食をする方はカーブの感覚が狭く、ダラダラ食事を続ける方は酸性側のカーブが大きくなります口内が酸性から中性に戻るまでにかかる時間は、およそ20分から1時間と言われています。それを踏まえて、ステファンカーブの間隔や幅を意識した規則正しい食生活を心がけることで、虫歯を防ぐことにつながるのです。

予防の種類

歯科医院で受けられる虫歯の予防処置の代表が、フッ素塗布とシーラントです。虫歯予防だけでなく、お子さまの歯を強くするためにも役立ちます。

  • フッ素塗布

    フッ素には歯の表面を覆うエナメル質の密度を上げ、耐酸性を向上させる作用があります。エナメル質から失われたカルシウムを再度取り込む助けとなるなど、歯の機能を修復する働きもあります。

    さらには、虫歯菌が糖を取り込んで乳酸を生成することを阻害することからも、虫歯のリスクを低減させることに役立ちます。お子さまの歯の健康を保つために、フッ素の正しい使用方法を学び、フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤を活用しましょう。

  • シーラント

    シーラントは、乳歯や永久歯の噛む面の細かい溝にプラスチック樹脂を埋める予防処置で、食べかすや細菌の侵入を防ぐ予防処置です。生えたばかりの歯は表面の構造が未熟ですが、唾液中のカルシウムなどを少しずつ吸収することで強くなっていきます。

    シーラント材にはフッ化物が含まれており、歯を強化し再石灰化の促進を期待できます。また歯を削る必要がない簡単な処置のため、お子さまに過度な恐怖心を与える心配もなく、処置を受ける練習にもなります。

  • フッ素イオン導入法

    フッ素イオン導入法では、通常のフッ素とは異なる濃度の高い液体フッ素が使用され、フッ素イオン導入機を用いてこの液体フッ素に電気を通します。電気を通すことで浸透率が増加するため、より強力な予防効果を発揮します。

    研究データによれば、イオン導入により58多くのフッ素を吸収できると報告されており、当クリニックでは、2,200円(税込)で提供しております。

ブラッシング指導

ブラッシング指導では、歯科衛生士が磨き残しをチェックし、汚れが溜まりやすいポイントの指摘やブラッシングのコツをレクチャーいたします。歯ブラシの持ち方、当て方、動かし方、力加減などの基本的な磨き方やブラッシング時の体制、またお子さまが嫌がる時にはどうすれば良いのかといった親御さまのお悩みにもアドバイスさせていただきます。

特に歯の生え変わりによって乳歯と永久歯が混在する時期には、歯並びが複雑なため、磨き残しができやすくなります。定期的にブラッシング指導を受けに来ることで、都度お口の状況に合わせたブラッシング方法を確認することができます。
お子さまがブラッシング指導を受けるメリットは、正しい歯磨き方法を覚えられることだけではありません。食後に歯を磨く癖や、定期的に歯科医院へ通う習慣が定着しやくなります。大人になった時に、しっかりとお口のセルフケアができる状態に育ててあげることが、親御さまや我々歯科医療者ができる大切なことだと考えています。

CHECKUP 定期検診

  1. Check お口の中をチェック

    まずはお口の中を視診します。具体的には、虫歯、歯周病、噛み合わせのチェックを行い、記録を採ります。定期検診ごとに口腔内のチェックと口腔内写真の撮影を行い、継続的に記録していくことで、お口の変化を捉えるための情報を蓄積します。必要に応じてレントゲン撮影も行い、歯を支えている歯槽骨や顎の骨の状態も確認いたします。

  2. Instruction ブラッシング指導

    2回目以降の診療で、磨き残しがある箇所の確認とブラッシング指導を行います。毎日しっかりとブラッシングをしているつもりでも、歯並びや歯の生え変わりによって、どうしても磨きにくい箇所が出てきます。特に磨き残しが多い方に対しては、歯垢に赤く色が付く染め出し液を用いて、お子さまが視覚的に汚れを目視できた状態にしてから、ブラッシング指導をしています。

  3. Cleaning 歯のクリーニング

    歯にこびりついた歯垢や歯石、着色汚れを歯科医療用の機器を用いて除去します。数種類のブラシを使い分けて段階的に歯をクリーニングしていくことで、歯の表面がツルツルに磨き上げられ、汚れが付きにくい歯にします。

  4. Fluoride coating フッ素塗布

    口内のお掃除が終わったら、最後にフッ素を塗布します。歯に汚れが付いていない状態で、歯科医院でのみ扱える高濃度のフッ素を使用します。クリーニング後は口内の虫歯菌が少ない状態のため、よりしっかりと乳酸を生成する働きを抑制することができます。

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