小児歯科 PEDODONTICS

3歳までに生涯の
虫歯リスクが決まる
RISK OF TOOTH DECAY

人間のお口の中にはたくさんの細菌が存在しますが、生まれたばかりの赤ちゃんの口内には、虫歯菌は存在しません。虫歯菌は、一緒に暮らしている家族を含めた身近な存在から感染してしまいます。
さらに、こどもの乳歯は大人の歯に比べて構造が未熟なため、細菌感染がしやすく、虫歯になったら悪化も早いという傾向があります。こどもが3歳になると乳歯が丈夫になるため、離乳食を始める1歳7カ月~3歳までの間に予防に力を入れることで、虫歯になるリスクを大きく下げることができるのです。

親御さまにはぜひ、虫歯菌を移さないこと、お子さまの毎日の歯磨き、そして乳歯が生え始めたタイミングから歯科医院を受診することを意識していただきたいと思います。お子さまの口内環境は、年齢と共に目まぐるしく変化します。その変化に合わせたケアを行うことが重要です。

乳歯から永久歯へ生え変わる6歳~8歳が特に重要

歯が生え変わっていく混合歯列期は、乳歯が抜けた隙間や生えかけの永久歯が歯磨きの邪魔になることで、虫歯のリスクが非常に高くなります。
特に虫歯になりやすいのは、乳歯が生え揃った6歳ごろに生え始める、一番奥の永久歯(「6歳臼歯」あるいは「第一臼歯」とも呼ばれる)です。6歳臼歯は噛み合わせの面が複雑な形をしており、溝も深くて汚れが入り込みやすいことから、虫歯の予防が難しいと言われています。

そんな6歳臼歯ですが、実はこどもが健康に育つ上で重要な歯であることはご存じでしょうか?6歳臼歯は永久歯の中で一番大きく、物を噛み砕く上で最も大切な歯です。噛むことで唾液の分泌を促す虫歯予防の役割を持つだけでなく、食べ物を細かく磨り潰すこともできるため、栄養を吸収しやすい状態にします。
また、永久歯の歯並びは6歳臼歯の位置を基本に整うことや、噛むことで顎の骨やお口周りの筋肉の成長を促進することを踏まえても、6歳臼歯を虫歯にしないことを心掛けて頂きたいと思います。

FLOW 虫歯になってしまったら
〜予防歯科治療の流れ〜

当院の予防・治療までの流れをご紹介いたします。なお、口内の発達・成長の度合いや、どこまで治療を受けられるのかによって、流れが変わるケースもございますので、ご了承くださいませ。

  1. First time 初診

    初診では、歯科医師とスタッフがお子さまとコミュニケーションを取り、緊張を和らげるラポールタイムという時間を設けています。そこから保護者の方に対してカウンセリングを行い、お子さまのことや症状などを伺います。お子さまにアレルギーがあれば、必ずお伝えください。

  2. Inspection お口の中の検査

    カウンセリング内容を基に、乳歯・永久歯の本数、虫歯の有無、粘膜部分の観察や精密検査などを行い、記録を採ります。その情報から、治療が必要な箇所と優先順位、予想される今後の歯並びや、治療方針を丁寧にご説明いたします。将来的に小児矯正が必要になりそうかどうかもお伝えいたしますので、参考にしていただければ幸いです。

  3. TSD TSD法

    治療を必要としている場合は、まずTSD法によって「治療を受けるトレーニング」を受けていただきます。こどもの対応に慣れたスタッフが、一人ひとりの個性に合わせてトレーニングを進めていきますので、保護者の方も安心して見守っていただけます。

  4. Cavity treatment 虫歯の治療

    虫歯治療を開始します。お子さまをできる限り怖がらせないために、痛みの少ない麻酔注射を行い、小まめにお声がけやご様子を伺いながら治療を進めてまいります。また、お子さまが嫌がって治療が困難な場合は、治療を一時的に見送り、何度かトレーニングのために通院していただくケースもあります。できるだけ「怖い思い」をさせないように努めています。

  5. Prevention 予防処置

    治療が終わったら、大切なお子さまの歯に虫歯を増やさないために、予防処置を行います。歯を強くし、虫歯菌の活動の抑制もできるフッ素塗布や、奥歯の溝を歯科用プラスチックで埋めて汚れが溜まりにくくするシーラントを行います。さらに、ご自宅でしっかりと口腔ケアに取り組んでいただくため、お子さまへの歯磨き指導・親御さまへの仕上げ磨き指導を行いますので、ぜひご自宅でも試してみてください。

  6. Maintenance 定期メンテナンス

    治療部分の再発を防ぐとともに新たな虫歯を作らないため、治療後は定期的にメンテナンスの受診にいらしてください。口内に存在する虫歯菌は、全てを取り除くことはできず、発症リスクをなくすことは不可能です。再発を防止するためには3カ月に1回程度のメンテナンスで、虫歯の早期発見・早期治療、磨き残しのチェック、お口のクリーニング、生え変わりそうな歯や歯並びの観察をし、健康な口腔環境を維持することが大切です。

Rapport time ラポールタイム

歯科治療に入る前に、お子さまの緊張を解きほぐすために、歯科医師や歯科衛生士がコミュニケーションを取る時間を、ラポールタイムといいます。ラポールとはフランス語で「橋を架ける」という意味であり、心と心に橋が架かって通じ合っている状態を表します。

初めて来た歯科医院で、良く知らない歯科医師にお口の中を触られるのは、大人であっても不安になると思います。そんな不安な中で、いきなり大きな音がする機械で歯を削られるのは、恐怖以外のなにものでもありません。

お子さまがリラックスできて、信頼関係を結んだ状態で治療に入ることを重視しています。場合によってはラポールタイムだけでその日の診療が終わることもありますが、歯科医院へのトラウマを作らないために必要な時間であることを、親御さまにもご理解いただければと思います。

TSD TSD法

お子さまによっては治療を怖がるだけでなく、お口を開けることや口内に器具を入れることにもおびえてしまうこともあります。お子さまが歯のことや歯科治療のことを理解し、不安の少ない状態で処置を受けられるように導くTSD法を用いて、心理学的知見に基づいた治療を行っています。

  • Tell(説明する)

  • Show(見せる)

  • Do(実際にやってみる)


具体的には、お子さまに治療器具がどんなものなのかを説明し、見せ、実際に触らせてみることで、分からないことに対して沸き上がる不安や恐怖心を和らげます。「こどもが怖がって歯科医院に通うのが大変」「これからこどもの歯科医院デビューを考えている」という親御さまも安心してお任せください。一人ひとりのペースに合わせた無理のない治療により、お子さまが笑顔で歯科医院へ通えるように導かせていただきます。

Painless 痛みの少ない麻酔

歯を削る際に生じる痛みを和らげるために用いられる麻酔は、注射を打つ瞬間に特に痛みを感じると言われています。表面麻酔は歯茎に塗るタイプのもので、細い注射針を用いることで、最初のチクッとする感覚を可能な限り少なくしています。麻酔液をゆっくりと一定速度に保ちながら注入することで、歯茎にかかる圧力を抑えて、痛みを最小限に留めています。

保護者の方へ

家事・育児に忙しい保護者の方の立場からすると、歯科医院に来たのならば、すぐに治療を始めてほしいと思うかもしれません。すぐに治療を受けられるお子さまもいらっしゃれば、診療チェアに座るのも怖いお子さまもいらっしゃいます。

そこで保護者の皆さまへ、できるだけお子さまのペースに合わせてあげてほしいということをお願いしたいと思います。お子さまをむやみに怖がらせてトラウマを作らないためのラポールタイムやTSD法にご理解をいただけますと幸いです。最初にしっかりとリラックスできる時間を設けることで、お子さまも心の準備が整い、余裕をもって治療を受けられるようになります。
加えて、お子さまが次の診療に勇気をもって臨める状態にすることも大切です。治療後には、思いっきり褒めてあげてください。もし治療を受けられなかったとしても、叱るのではなく「次は頑張ろうね!」と励ましてあげてください。ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

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