顎の成長を利用した床矯正 FLOOR CORRECTION

床矯正とは? Floor correction

下顎が成長する力を利用して歯が並ぶ土台である床を広げることで、永久歯が整列するスペースを作る矯正治療の一種です。取り外しができる床矯正用の装置を用いることで、お子さまの成長に合わせて顎骨のサイズを調節していきます。

床矯正治療を始める対象は、乳歯と永久歯が生え変わる6歳~11歳の混合歯列期のお子さまです。永久歯が骨の中から出てこられるくらい骨が柔らかい時期だからこそ、スムーズに骨を押し広げてサイズ調節を行うことができます。永久歯が生え揃う10歳を過ぎると顎骨の成長が止まってしまうため、開始時期には注意してください。床矯正の治療期間の目安は1年~2年です。不正咬合の症状や床矯正装置の装着時間によって、終了するタイミングが異なります。

床矯正と抜歯矯正の違い

床矯正は、成人矯正時の抜歯を可能な限り回避するために、顎の骨を広げてあらかじめスペースを作るための予防目的で施される矯正治療です。
大まかに歯並びや噛み合わせを整えるものであり、床矯正だけで終えられるものではありません。お子さまに抜歯の負担を与えず、将来的に1本でも多くの歯を残してあげるための下準備となります。

一方で抜歯矯正とは、成人矯正をする際に歯を動かすためのスペースを作る手段として、奥歯(親知らずあるいは小臼歯)を抜歯することです。バランスを取るために上下左右4本の歯を抜くのが一般的ですが、場合によっては上の2本だけ、あるいは下の2本だけ抜くケースもあります。お子さまの骨の成長を利用して行う床矯正を行っておくと、成人になってから、抜歯の選択肢を強いられるリスクを軽減できます。

床矯正のメリット・
デメリット

  • メリット

    • 抜歯矯正を行う可能性を低くできる

    • 矯正時の痛みが少ない

    • 装置を取り外せるため食事の邪魔にならず、歯磨きがしやすい

    • 成人矯正と比べて費用を抑えられる

  • デメリット

    • 矯正開始後1週間~2週間は喋りづらくなる可能性がある

    • 歯列を大まかに整えるため、成人矯正での調節が必要になる場合がある

    • 自分で決まった時間に装置を装着しないと、顎骨の拡大ができない

    • 自由診療のため、一般的な歯科治療と比べて自己負担額が大きい

HOW TO USE 床矯正装置の使い方

  1. Material&Structure 装置の素材・仕組み

    床矯正の装置は、樹脂製のプレートを土台に金属製のネジとワイヤーがついた構造です。ネジは、回すことで装置を拡大させるためにあり、ワイヤーは歯にかけて固定する役割を果たします。実際に床矯正を行う際には、親御さまが決まった期間ごとにネジを決まった回数回して、少しずつ装置を広げていく流れになります。

    矯正治療開始直後は違和感のある方が多くみられますが、1週間~2週間ほど経つと、ほとんどの方が慣れます。場合によっては、装置が歯茎に当たる部分に痛みを生じることもあるようです。その際は、装置を調節することで痛みを緩和できますので、お早めにお問い合わせください。

  2. Wearing time 装着時間

    床矯正装置の装着時間は、1日8時間以上が目安とされています。取り外しができる装置のため、お子さまによっては自分で外してしまうこともあり、装着に慣れるまでは親御さまに管理していただく可能性があります。もし装着時間が守れないと、顎の形状が戻って装置がきつくなってしまい、装置の作り直しが必要となります。その場合は、治療期間も延長しますのでご注意ください。

  3. Cleaning method 洗浄方法

    床矯正装置は、外した状態で水洗いするのが基本です。樹脂部分は手洗いで構いませんが、ネジやワイヤーなどの細かい部品は、ヘッドの小さい歯ブラシで磨いて汚れを落とします。水洗いする際は、汚れをふやかすために、ぬるま湯を使うのがおすすめです。熱湯をかけると樹脂部分が変形してしまいますので、お湯の温度に気を付けてください。

    水洗いで汚れが落ちない時には、入れ歯洗浄剤をご利用ください。2日~3日ごとに洗浄剤に浸けることで、細菌の繁殖を防ぎ、装置を清潔に保てます。
    ※洗浄時に歯磨き粉を使用しないでください。研磨剤によって装置の表面が傷ついたり、粒子がネジ部分に入り込んで破損したりする恐れがあります。

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