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子供の口呼吸の原因と対策

本日は親御さんからよく相談される「口呼吸」について触れていきます。

子供が口を開けて呼吸する「口呼吸」は、一見すると無害な行動に見えるかもしれませんが、これが習慣化すると多くの健康問題を引き起こす可能性があります。
口呼吸の原因と口呼吸が及ぼす影響についてしっかりと理解し、対策していくことが大切です。

■口呼吸の原因
①アレルギー
季節性アレルギーやその他のアレルギー反応は、鼻の通りを悪くし、子供が口呼吸に頼る主な原因の一つです。鼻粘膜の腫れや過剰な粘液の生成が呼吸を困難にします。

②拡大したアデノイドや扁桃
アデノイドや扁桃が拡大していると、鼻呼吸が妨げられ、子供が口を使って呼吸するようになります。

③鼻の構造上の問題
先天的な鼻腔の異常や後天的な障害(例えば鼻中隔偏位)もまた、鼻呼吸を困難にし、口呼吸を引き起こすことがあります。

④慢性的な鼻詰まり
風邪やインフルエンザなど、一時的な病気が原因で鼻が詰まることがありますが、これが慢性化すると口呼吸が常態化することがあります。

■口呼吸の影響
口呼吸は、子供の顔の発達に影響を及ぼすことがあります。長期にわたる口呼吸は、上顎の狭窄を引き起こし、歯並びの問題や顎の成長異常を招く可能性があります。また、口呼吸は口の乾燥を引き起こし、それが虫歯や歯周病のリスクを高める原因となります。さらに、睡眠の質にも悪影響を及ぼし、十分な休息を取ることができなくなることもあります。

■対策と治療
①原因の特定と治療
口呼吸の背景にある問題を特定するためには、アレルギー専門医や耳鼻咽喉科の診察を受けることが重要です。アレルギーが原因であれば、適切なアレルギー治療が、アデノイドや扁桃が原因であれば、その評価と必要に応じて手術が推奨されます。

②鼻呼吸の促進
鼻呼吸を促進するためには、日常的に鼻の通りを良くするための習慣を身につけることが大切です。定期的な鼻洗浄や湿度を適切に保つことが役立ちます。市販されている塩水スプレーを使用して、鼻腔内の粘膜を潤い、清潔に保つことが推奨されます。また、エアコンの使用が多い環境では加湿器を用いると良いでしょう。

③正しい呼吸法の指導
子供が日常的に鼻呼吸を行うように指導することは、口呼吸の習慣を改善する上で非常に重要です。簡単な呼吸エクササイズを毎日行うことで、鼻を通じて深く呼吸することが自然と身につきます。

④就寝時の対策
寝ている間に無意識のうちに口呼吸をしてしまう子供には、就寝時の口閉じテープ(専用のものを用いる)や、あごを支える特別な枕の使用が助けになることがあります。これにより、夜間の口呼吸を減少させ、鼻呼吸を促進することができます。

⑤歯科医院での定期的なチェック
口呼吸が原因で起こりうる口腔内の問題に早期に対処するためには、定期的な歯科検診が必要です。その際、口呼吸が子供の歯並びや顎の発達に影響を与えている場合、必要に応じて矯正治療などの推奨をしていくかと思います。

⑥意識の高揚と継続的なサポート
子供自身が自分の呼吸パターンに気を付けるようになることも大切です。子供が正しい呼吸習慣を身に付けるために親御さんのサポートも重要です。

子供の口呼吸は多くの健康問題を引き起こす可能性がありますが、適切な対策を講じることで改善することが可能です。原因の特定から始まり、日常的な鼻呼吸を促進する習慣の導入、定期的な医療チェックを通じて、子供が健康的な呼吸習慣を育むための環境を整えることが重要です。

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